過去記事にて、売買目的有価証券を取り引きしたときの仕訳についてお話したので、今回は取り引きしなかったときのお話。
・・・この時点でちょっと管理人なにいってんのってなると思うので(読者ではなく俺氏が)ちょっと状況についての説明。
「売買目的有価証券」ってのは売買するための有価証券なので、いい取り引きの話が来たらすぐ売ってもいい。売らなくてもいい。そんな資産だ。今回はこの売らないまま決算の時期がきてしまった場合の仕訳。
決算は、企業が株主とかに「今わが社はこれだけ資金をもっていて、これだけ負債があって・・・」みたいに外部に現状を報告する機会でもある。そのとき売る機会がなかった「売買目的有価証券」ももちろん保有資産として報告する必要がある。
本来ならば「それが何か?」ってなると思うんだけど、「売買目的有価証券」もとい株式には時価がある。それをどう表現するのかというと時価に振り返る必要がある。
・・・3級では、ね(不穏な気配を察知)
とまあ不穏な気配はおいといて。株式を時価に振り返ると当然、購入金額より高くなった、低くなったという話が出てくる。この差もめんどいけどちゃんと仕訳して報告する義務があるわけでこれがこの記事のポイント。
この場合に使用する勘定科目は二つ。
「有価証券評価益(収益)」。これは購入金額<時価の場合。
「有価証券評価損(費用)」。これは購入金額>時価の場合。
それぞれの勘定科目は「有価証券売却益」「有価証券売却損」と全く同じ。
例えば、売買目的で100円で購入した株式が決算時期まで保有していた場合。この株式の時価が98円だったときの仕訳。
100円分もってた「売買目的有価証券」が98円になってしまった、という場合。2円分の資産の減少という貸方の出来事と「有価証券評価損」という費用の勘定科目の増加という借方の出来事が起こっているので、仕訳はこんな感じ。
問題の傾向として情報量が多くなるので、100とか98とか数字に惑わされずに勘定科目をもとに仕訳を行っていければベストだな。
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